【第7話】このコラムはシリーズです。第1話からお読みください。
今日は、もう少し自分の人生を遡って書いていきたいと思います。
私は京都で生まれました。
父は当時、ある製薬会社の大企業に勤めていて、一番若くして支店長になったようですが、高度経済成長を支えていたこの時代のワーカー達は、みんなほぼ仕事人間。
会社に人生を捧げ、だからこそ今の日本があり、恵まれた国になったことに感謝しています。
が、、、
子供としては、忙しい父に遊んでもらった思い出がほぼありません。
こんなこと言ってしまうと怒られてしまうかもしれないのですが、、、
小さい時は父という存在より、隣のおじさんというような存在で、一番思い出に残るのは、おもちゃを買いに初めてデパートにつれていってくれて、まとめ買い(笑)をしてくれたことがありました。
家に戻って母に、「たくさん買ってもらったから、『ありがとう!』と言っといて!」と言ったら、母が笑って、「あなたのパパやん!」と言われた強烈な思い出があります。
この思い出は、大きくなったときに妹と話してて、まさしく妹も、父の思い出がそこにあることを聞いてびっくりしたほどでした。
小学校の時に祖父が亡くなり、家業を継ぐために岡山へ引っ越すことになりました。
元々、高祖母が薬局を開き、曽祖父は高校の校長で、祖父が薬局を引き継ぎ、父がその家業を継ぐことになりました。
母にとってみれば、大企業のサラリーマン妻から、思いがけなく自営業の妻になり、私たち姉妹にはいつも「自営業は大変だから、大企業の人と結婚するんだよ。。」と言い続けていました。笑
それで主人と結婚したわけではないですが、2人とも大企業に勤める夫と結婚したので、何かしら母の教育は、私たち2人に大きな影響を与えていると思います。
そしてもうひとつ言われ続けたのは、結婚したら専業主婦になること。。
「子育てと家事に従事することが、女性の幸せ」と思い込んでる母の揺るぎない考えは、反抗しようとも、子供を預けて働くことに罪悪感を持っていたと思います。
ダブルパンチで、主人の義母も専業主婦で同じ考えでしたので、、
あとで思えば、それは思い込み=既成概念に過ぎなかったんですけどね。
結婚して神戸に移り、すぐに娘ができました。
しかし、日本企業に勤めている主人は、私の父と同じく、ほぼ家にいることはありませんでした。
朝早くから仕事に出て、帰りは23時ごろ。。そこから夕食の用意をして片付けて。。
休みも土曜日はほぼ休日出勤です。
私たちが特別なのではなく、日本企業に勤めていたら、これが当たり前と思われる方が多いでしょう。
それにプラス、、、
私たちには、2〜3年ごとにやってくる、どこへ行くかわからない転勤の連続。
これも日本企業に勤めていたら常識で、断る=左遷です。
やっと落ち着いて生活ができたと思ったら、また新天地へ。このような頻繁な移動では、私の定職も難しいです。でも、同じような状況の女性も多いと思います。
また、会社で一生懸命働いている主人も可哀想だな。。と思うことがありました。
インターナショナルスクールでは、1年に何度かイベントがありました。
タレントショーやクリスマス会など、その大半は夜に行われます。
子供の晴れ舞台を見に、外国人の両親は必ずカップルでやってきます。
日本人は、ほぼお母さんだけ、もしくは、おじいちゃんやおばあちゃんと。
お父さんの姿は非常に少ないです。
外国人にとって、家族の行事やお誕生日は一大行事。その日は、大義名分で会社を早く退社することができます。
ところが日本企業に勤めるお父さんたちは、それが出来ないのが現状です。
子供の成長は止まることなく、日に日に変わります。2度と戻ることはありません。
その大切な時間も、仕事の方が優先されてしまうのです。
また、休暇についての考え方も大きく違います。
例えば、フランスやドイツでは、年間5週間の有給休暇が取れます。
日本のように有給休暇があっても、他人の目を気にして取りにくい、取れない、または取ったふりをするのではなくて、、、
みんな取ることが『常識』なので、「彼女は今バカンス中よ」と言われたら、「あ〜そうですか〜」と変に納得してしまう。
それほど休暇も大義名分なのです。
ちなみに、2018年度のG20の経済成長率ランキングでは、、、
フランス12位、ドイツ13位、日本17位。
休みが多いのと、仕事時間が長いのとでは成長率は比例してなくて、
どちらが効率的で、ワーク・ライフ・バランスが取れているのでしょうか。。
どのフランス人と話をしてみても、「バカンスがあるからこそ頑張って働く」という考え方で、仕事が全てとは思ってなくて、人生の一部と考えています。
それに、この長期バケーションが、働くモチベーションにもなっているようです。
違うライフスタイルを見聞きするからこそ、自分の視野やモノの見方が変わってきます。
外の世界を見なければ、小さな世界が当たり前だと思うけど、違う世界を見たら、現状に疑問を持ち、新しいアイデアが湧き上がってきます。
同じ人間として、この違いを見て、「何のために仕事をしているんだろう?」
「なぜ、そこで働くのか?」というパーパスPurposeを、
今、コロナ禍で、働き方が大きく変わる中で、もう一度、これからの人生を見つめ直してもいいかもしれませんね。
あなたの第一歩が、自分の幸福と未来の子供達のためになるのですから。。
トータルエレガンスコースでは、世界のライフスタイルとの比較から見えてくる「あなたのライフスタイルのあり方」にもスポットライトを当てています。
つづく。。。