【第1話】このコラムはシリーズです。第1話からお読みください。
娘が、23歳の誕生日を迎えました。
早いもので、今、フランスの大学院でビジネスを学んでいます。
新型コロナでロックダウンされた不安な情勢下で一人フランスに残り、
企業が募集をどんどん取りやめていくの中で、
死に物狂いでフランスのインターンシップを見つけました。
大阪大学の人間科学部を卒業後、「フランスで働く」というのが彼女の選んだ道でした。
そして彼女から、誕生日にかかってきた電話は、
「ママ、産んでくれてありがとう!」
「グローバルな教育をくれてありがとう!」でした。
私の両親や、主人の両親に反対されながら、また、主人とも何度も教育のことで喧嘩しながらも、、、
ユニークなバックグラウンドで育てたことに誇りをもっています。
今、そのおかげで、彼女の生きる世界が何倍にも広がったからです。
そして、自分の道を切り開く「生きる力」も身に付けてくれたことも。。。
MIKA DECO Parisでは、「世界に通用する大人の女性の教養」として、世界標準マナーとコミュニケーション、センスを磨くテーブルコーディネートとおもてなしを教えています。
私が一番伝えたいことは、それらを通して見えてくるもの。
生きる世界を「日本」という小さな枠にとらわれなければ、もっと選択肢の多い素晴らしい人生が待っているということです。
そこにどうやって行って良いのか分からず、たくさんの回り道をしてきました。
それ以前に、「そこに何があるのか?」「どんな素晴らしい世界があるのか?」
を教えてくれる人も身近にいませんでした。
回り道をしながら苦労して見てきた経験、チャレンジしてきた経験、失敗を積んで学んだ経験、そして娘の教育を通して見た世界は、エキサイティングで素晴らしいものでした。
その多様な文化と人々との経験があったからこそ、もっと自由に考え、もっと自由に生きられるようになったと思います。
サロンの女性達にも伝えていることを、コラムで少し書いていきたいと思います。
彼女が生まれた時から、「世界で活躍できる子供」に育てました。
名前は、LISA.
世界のどこでも覚えやすい名前です。
両親は生粋の日本人です。日本にいながら英語教育の環境を整えるためにあらゆる事をしました。
この教育がベストと言ってるのではありません。
親が学校任せではなく、どんな信念を持って子供を育てるかが大切だと思います。
会話は英語で育てました。学校で学ぶ英語では通じないので、子供と会話する英会話を、できる限り覚えました。これが後になって、私にとってすごく役立っています。
よく日本人の親が英語で話すと、発音が悪くなると言われる方もいますが、世界に出れば、色んな発音の英語があります。要は、日常でも「英語で話す」という環境を作ってあげることが大切だと思います。
では、日本語は誰が教えるのか?ということも出てくるでしょう。それも私です。主人は仕事で忙しくてほとんど家にいませんでした。
でも、日本語もかなり早いうちから喋っていました。小さい時は多言語であっても、すぐ覚えます。もう少しいえば、忘れるのも早いけど、脳の中の記憶には残っています。
2歳の時に、外国人が経営するナーサリースクールに1年間ほど入れました。
3歳になった時、初めてイギリスの幼稚園に短期留学させました。
英語を実際に使う国、つまり「本物」を見せたかったからです。
言語は文化や歴史の中で育まれます。ところが、、
「こんな小さなときに、海外へ留学させても無駄だ。。」というのが主人の考えでした。
たった1ヶ月娘と離れることが出来なかったからです。
そして彼は留学センターへ相談しに行きました。案の定、担当者の女性は、
「こんな小さな時から連れてっても何も覚えてないですよ!」と言ったそうです。
同意見のプロを見つけて、天下を取ったように帰ってきました。(笑)
私の方が留学経験も豊富で、JTB海外旅行で長年働いてた経験もあると言うのに、、、
結果、3週間にして戻ってきました。。
でも、彼女の記憶の中には残っていました。
強烈な記憶は、初めて見た黒人の先生でした。
長い爪をしてて「怖かった!」と今でも覚えています。日本ではそんな先生いません。
怖かったから、3歳なりにどう行動したのか?それが体験です。
私が見学した時は、「LISA」と呼ばれたら、「YES!」と手を上げて、先生のところへ行って言われたことをやっていました。
でも覚えていることはそれだけです。。。
この短期留学が、その後の彼女にどう影響したかは数値化できません。3歳の英語力も所詮しれてます。
でも、英語力よりも大切なもの、本場で自分の目で見て、肌で感じた異文化のコミュニケーションは、きっとどこかにすり込まれていると思います。
「本物の体験」に勝るものはないから。。
つづく。。
アメブロブログに、この前編を書いています。⇨娘の誕生日と思い出